夢判断10「フェリー」p2

  
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フェリー



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A様
39歳 女性 一人暮らし 元会社経営
タイトル/「フェリー」

鈴木めいや

4) 夢の中の大波は、おそらくご自身の無意識から沸きあがる抑えがたい情動のあらわれだと考えられますが、もしなければいいのですが、いままでに、そのような否定的な情動(気持ち)にさらされたかのような精神的な経験をなさったことはおありでしょうか?

A様

否定的な情動の意味が少しよくわからないのですがこれでよいかな。
困っている状態の人をみると、放っておけず、何とか助けようとしているうちに、いつの間にか自分が責任を背負う事態になっており、それでも見放せず、がんじがらめのなかから、状況を打破するためにがんばることになる。
しかし、不思議と結果はよいほうに向かって終わる。
物事から逃げるのは卑怯であると考えてしまう。
他人が逃げるのは仕方ないと責める気持ちにはならないが、自分自身、自分から逃げることはできず、とてもつもない辛さや恐怖と戦うことになるので、もう他人の苦労には絶対まきこまれたくないという気持ちがある。
以前、詐欺にあいました。
うそをついていることはわかっていても、全くの善意で接する人を、人は裏切れないものなのでは
という気持ちから、信じる姿勢をとっていましたが、結局なにも伝わらない、全く違う価値観の人がいるということを
知る結果となりました。
自分の中にあった弱さも感じました。
次に付き合った人は、5年間の付き合いの中で、それなりの信頼感はありましたが、
男女の愛とは違うような気がしていました。

絶望感、恐怖感から人間不信にもなりました。
しかし、自分で本当はわかっていながら見て見ぬふりをしてきた事。
そのような人と2度も付き合ってしまったのには、自分自身に問題があると最近感じ始めたこと。
自分の中にお金にこだわりがあり、それがそのような人たちを引きつけてきたとすれば、
そのこだわりを捨てなければならない、それが夢に見た財布なのかななど思っています。
長々と申し訳ありません。
よろしくご診断ください。
お願いいたします。

鈴木めいや

ご回答、ありがとうございました。
送っていただいた「フェリー」の夢を解釈いたしましたので、参考にして頂ければ幸いです。

【 夢判断 】
ご自身の心の状態を、自由にコントロールする準備が整ったことをあらわした夢


この夢を一言で解釈すると、「ご自身の心の状態を、自由にコントロールする準備が“整った”」、というような心の動きを、象徴的にあらわしたものだと考えられます。
というのは、パスポートはある国から全く異なった生活習慣の国へと進むためには必須のアイテムであり、一時はそれを、財布ごと人生の大海原・海へと捨ててしまいます。
ご本人は、夢の中の財布を、「人間不信の原因となるお金に対するこだわり」という否定的なニュアンスで解釈なさっています。
このことは、夢の中で大波(絶望感、恐怖感から人間不信に陥っている状態)がきて、そのような心境になるのは、財布(お金に対するこだわり)があるためだ!ということから、財布を海に捨ててしまう、という描写を読み取ることができて、確かにこれも的を得た解釈だと思います。
ですが私は、夢の中の財布にはお金のほかに、パスポートも入っているので、この財布は、それぞれの異なった心の領域(冷静に物事を整理して考えたり、感情をこめて何かを語っているときなどの異なった心の側面)に自由に行ったり来たりすることを諦めた(パスポートを捨てた)かのような心境」をあらわしているのだと思いました。
ですが、人生の激しい情動の波から逃げず、海と向き合い、それは実は苦しいだけではなく、美しいのだと実感すると、パスポートの入った財布は戻ってきます。
このときにはもう、一つの心の領域に拘束されたかの状態から開放されていて、戻ってきたパスポートとお金を使って、どこにでも自由に行ける状態にあります。つまり、いつでも好きなときに自由に笑ったり冷静に考えたりということができる状態にあります。
さて、この夢を初めから解釈していくと、まず、フェリーでハワイからフィジーに到着するシーンから始まります。
夢の中のフェリーは、“自我の旅立ち”のような心境を象徴していて、夢の中のあなた自身は、“自我”をあらわしています。
つまり、あなたの意識の中心である自我は、暖かくてのんびりできる心の領域(フィジー)から、それほど楽しめない心の領域(ハワイ)へと、いま、到着したのです。
また、あなたはハワイに対して、「食べ物が美味しくなくてダサい」との連想もされています。このことを象徴的に考えると、食べ物は自分の身体に受け入れるものですので、それが美味しくないということは、物事を自分の身体に受け入れにくい場所、現実での、なんらかの想いを受け入れにくい心の場所が、夢の中では、“ハワイ”として表現されたとも考えられます。
そして、ご自分の心と向き合うためか、せっかくの居心地の良いフィジーから、自分には合わないハワイへとやってくると、海の上を歩いていきます。
夢の中で歩くのは、「自分の人生を一歩ずつ進んでいく」というような意味合いであらわれる場合が多く、比喩によって解釈すると、「人生の大海原である海の上を歩いている」というニュアンスで表現されているように考えられます。
海の上を歩いていくシーンは、「特にこの2・3年間は体の矯正やヒーリングをしたりして自分と向き合ってきました」
とおっしゃるとおり、ご自分の意志で、自分の不安定な無意識と向き合っている(内省している)ような状態にあるということをあらわしているのでしょう。
なのでこのシーンは、もしかすると、ご自身の言葉にあるように、「物事から逃げるのは卑怯であると考えてしまう。」という想いにも関係があるのかも知れません。
ですがそれは不安なものであり、足元は不安定なので、海が解けて落ちてしまうことを心配しながら、なんとか前に進みます。
「大丈夫、引き返せばいい」と思うのは、恐ろしい情動の波が襲ってきそうになったら、そうなる前に、そこから意識を引き離して忘れてしまえばいい、という心の働きが、そのように表現されたものではないかと思います。
ですがその時、心配していたことが起こり、海に落ちてしまいます。あなたは泳げずに、少しも前へ進めずに溺れそうになります。
これは、「自分の人生を上手に泳げていない」、という比喩表現であり、象徴形式の観点から考えると、「自分ではコントロールの利かない激しい情動の波に呑み込まれそうになっている」、という心境をあらわしているのだと思います。
このことは、おそらく、「絶望感、恐怖感から人間不信にもなりました。」という、その苦しい時期と関係があるのでしょう。
そのとき、少しでもその状況を良くするために、重たい財布を捨ててしまいます。このことは、お金を使って出来ることは一切できない状態にある、ということを意味しています。
そしてふと見ると、数人の外国人たちが、自分と同じように歩いてきます。彼らもまた、自分と同じ地点で海へと落ちてしまいますが、彼らはあなたと違って、とても楽しそうに泳いでいます。
この外国人は、普段、ご本人の意識から遠く離れた無意識下の、何らかの心の要素が人格化されたものだと考えられるので、現実に苦しかったその時期には、実は心の底では、上手にその状況を泳ぎ、その苦しい心境を楽しんでいるような側面もあったのかも知れませんね。
そうして海藻につかまり、冷静になると、海の中に少しもぐってみます。このことは、その時までは余裕がなく、否定的な情動に翻弄されているだけであったのが、自分のコントロール下によって、キチンと自分の心と向きあうという心境に変わってきたことをあらわしているのでしょう。
いままではコントロールの利かない恐ろしい所だと思っていたその領域は、冷静に見てみると、実は美しい場所であり、魚という生命力に溢れたエネルギー体が住まう場所だと知ります。
そして、水中が浅いのは、無意識の領域が深く、もはや訳の分からない恐ろしいところではなくなり、十分に観察可能で自由に動くことのできる領域であるとこがわかってきた、ということを意味しているのでしょう。
そのとき、ご自分の心の内側、つまり無意識的であった心の領域は、透き通っていて、十分思い通りに動きまわれるので、落としてしまった財布さえ捜すことができます。財布は、一時はコントロールの利かない否定的な情動によって失ってしまった、高価な代物なのです。
ですが、いまではもう、わざわざそれを探す必要さえないほど、精神状態は良好なようで、自然に向こうから届けにやってきます。
財布は、おそらくご自身が心的エネルギーを自由に使うための機能を象徴しているものと思われます。
なので、このことは、わざわざ意識して財布(心的エネルギーを自由に使ための機能)を探しに行かなくても、自然に向こうからその機能は戻ってくる、ということを意味しているのでしょう。
財布の中を見るとパスポートも入っており、良かったと思います。
改めて言うと、このパスポートは、この夢の全体的な主題を示していて、一時は失い、財布ごと戻ってきたこのパスポートによって、自由に様々な心の領域へと行ったり来たりすることが可能になるのです。
このパスポートは〜

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