世界の象徴的なもの

  
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世界の象徴的なもの



世界中から夢と同じ心像を探す

睡眠時に生じる夢は、普通、その人特有の「個人的要素」と、全ての人に言えるような「元型的・普遍的要素」の二つの側面が複雑に関係しあって形成されるものですが、夢のモチーフ(その夢を形作った何らかの動機)を、おおまかに分けると、そのふたつの側面のうち、どちらの方がより多い夢であるのかということを考えることが出来ます。
夢のモチーフが、個人的要素のほうがより多い場合は、その夢を見た方の精神遍歴やタイプ、あるいは連想傾向などの、その方特有の個人的な心の側面を考慮して夢を解釈する必要があります。
その場合、世界の象徴的な美術品やおとぎ話、神話などの象徴性は、あまり夢解釈には役にたちませんし、書物やネットで紹介されているシンボル辞典も、ほとんどその方には当てはまらない場合が多く、事実上、本やネットで紹介されているシンボル辞典ほとんど役に立ちません。
もし、シンボル辞典に、「犬は人間のもっともよい友といわれ、忠実で、やさしく、温かさをもっていて、はだのふれあいとか、衣食住などの生活の充実を示すものである。」と書いてあった場合、それがAさんの夢に出てきた犬にも言えることなのかは、とても疑わしいからです。
そのため、夢のモチーフが、個人的要素による場合は、あくまでもその方の個人的な精神遍歴や性格類型、連想傾向などを重視して夢を解釈すべきです。
例えば、Aさんの場合、犬に対する連想が、「幼い頃に噛まれたことがあり、犬は恐ろしい生き物で大嫌いだ」となるのなら、夢の中の犬は、Aさんの主体性を脅かすような無意識の野蛮で本能的な否定的情動性を象徴していると考えたほうが妥当な解釈となるでしょう。
ですが、もし、睡眠中にみた夢のストーリーが、まるでおとぎ話のような詩的で魅力的な文脈を持っている場合や、あるいは、人類が太古の昔からよく知っているような心像が夢にあらわれた場合、それは、元型的な要素の色濃い夢であると考えられます。
そのように、夢のモチーフが元型的な要素が強い場合は、その夢は普遍的な意味合いを持ちますので、ある程度、人種や時代に関係なく、全ての人類に共通の意味合いがあると考えることができます。
そのため、元型的な要素が色濃い夢の場合、世界中の象徴的な美術品や昔話の心理学的な解釈は大いに参考にすることができます。
簡単に言うと、元型とは、イメージなどを構築する表象可能性であり、基本的な心の型(パターン)であり、心の基本的な構造の骨組みのようなものであると言えます。
そしてそれは、強い感情体験を伴ない、生命力のある色濃いイメージによって彩られている場合が多くあります。
元型的な夢を見た場合は、世界中から、その夢と関係のありそうな象徴的な意味合いを持つ美術品や昔話、神話などを探すところから、夢の解釈をはじめましょう。

ギリシャ神話 「イカロス」
ストーリー : イカロスはダイダロスの息子であり、父親のダイロスは、細工の名人であったので、ミノス王のために、ラビュリンス(迷宮)を造り〜
分析 : 地(現実)から離れることの危険性をあらわしたお話し
旧約聖書の創世記(6-9章)ノアの箱舟
ストーリー : 神は地上に増えた人々が悪を行っているのを見て、「神と共に歩んだ正しい人」であるノア(当時500〜600歳)にこう告げた。「これを洪水で滅ぼす」と〜
ギリシャのレリーフ「ゼウス・メイリキオス」
ギリシャのレリーフ「ゼウス・メイリキオス」
分析 : 蛇は人生における心の転換期にあらわれ、精神的な変化を支える力を象徴します。
日本の巻物「空海・少年時代の弘法大師」
日本の巻物「空海・少年時代の弘法大師」
分析 : 意識を超える全体性(セルフ)を象徴します。
エジプトの彫刻「パイロン型神殿のアヌビス」
エジプトの彫刻「パイロン型神殿のアヌビス」
分析 : 「野生」と「飼い慣らされたもの」つまり「意識」と「無意識」の境界にある人間の本能の局面をあらわしているように感じられます。
エジプトの彫刻「蛙」
エジプトの彫刻「蛙」
分析 : 水中と陸上の両方に棲むので、境界を越え、一つの宇宙圏と他とを結ぶことのできる仲介者を象徴します。創造神話では、蛙は水から地球を生み出す役割を担っています。
日本の巻物「富士浅間曼荼羅」
日本の巻物「富士浅間曼荼羅」
分析 : 悟りに向けての精進を象徴しています。高みは常に解脱(仏教においては、業の繋縛を開放し、迷いの世界の苦悩を脱すること)を象徴しています。