心理学事典「連想」

  
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心理学事典「連想」


ユング派に特徴的な夢分析の技法で、例えば「夢に出てきたAについて、できるだけ多くの連想を」と聞き出して、夢のイメージを膨らませていく作業のことです。
ここで大切なのは、A→B→C→Dと連想を追うのではなく「Aについて他に思いつくことはありませんか?」とイメージの輪を広げていくことです。
このことにより、個人的なイメージを調べ、夢の脈絡をはっきりさせることが可能となります。

M.L.フォンフランツ博士は「夢の道」という本のなかで、このように述べています。
「自分自身の夢を解釈したいなら、紙の半分に夢を書き、もう半分に夢に出てきたすべての言葉に対する連想を書き込むのが最善ですp33」 連想の図 上記のように、連想を広げることで、自分にとって「犬」とは、どのような個人的な心の位置づけとなっているのかが分かります。
Aさんの夢に登場した犬は、ご本人の無意識下の肯定的で本能的な何かをあらわしていると思われるのですが、Bさんの夢のなかの犬は、野蛮さなどの否定面が犬の姿となって表現されたと考えられます。
連想される全ての内容は、その 夢の意味と関係があるのかも知れません。
このように、個人的無意識が関係していると思われる夢は「同じ心像でも人によってその意味は大きく異なる」ということを前提に夢は解釈されるべきと言えるでしょう。
つまり、心理学的な夢解釈となると、夢のなかに登場した一つ一つの心像を、ただシンボル事典に当てはめていけば良いということにはなりません。
ユング博士はこのことから、夢のシンボル事典のようなものを作ろうとはしませんでした。
夢に登場した心像の意味は、その夢を見た人の連想傾向などの個人的な側面と、そして夢のストーリー(文脈)を考慮した上で解釈すべきであると言えます。

ですが元型的な夢の場合においては、連想を広げることが難しいのが普通です。夢のなかの犬が普遍的無意識と関係している場合は、それはエジプトの「神殿アヌビス」などの象徴性が参考になります。
この場合は、一つの意味合いにおいては、犬の象徴性は「誰でもほぼ同じ」であると言えます。