夢解釈33「恐ろしい若い男性」3ページ目

「忘れ去られたアニムス(生かされていない男性的な性格の要素)の反乱と回帰」をあらわした夢

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2013/07/05 (金) 〜 2013/07/18 (木)


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ひよこ様
28歳 女性 大学院生

タイトル/「恐ろしい若い男性」

もしこの考え方が正しいと仮定すると、夢の中の若い男性は、現在はとても可愛そうな立場に置かれており、本来なら、大人になった今でも意識の光を浴びて、のびのびと機能していたはずなのに、今では忘れ去られ、「用無し!」と切り捨てられているような憐れな心の側面、といえるかも知れません。

そして夢の中では、その「若い男性」は、現在のあなたが持っている、女性的な人格(行動や言動の基本的なパターン)を「殺す」と言ってやってきます。

それはまるで、今の人格の主体性を奪い取ろうとでも言わんばかりの存在感を示しており、無意識下では、彼はコンプレックス(ここで言うコンプレックスとは、複雑な感情や観念の複合体のことであり、精神的なエネルギーの根源のようなもの)として大きな勢力を持っているように見えます。

幼い頃は、あなたはおそらく、男性的な性格の側面のほうが優位であり、男の子のような遊びをしていたとのことですが、現在は、女性的な側面のほうが優位(特に身体性に関しては女性性優位)で、あまり男性的ではないようです。
つまり、夢の中の若い男は、ご本人の、本来なら当たり前のように機能するはずであった男性的な性格の側面が人格化された心像であり、彼は現在、あまり陽の目を浴びていないことに不満があり、無意識下ではコンプレックスとして勢力を高めていると考えられます。

そこで彼は、まるで、あなたの今の女性らしい人格(現在持っている基本的な言動や行動のパターン)を乗っ取ろうと企んでいるかのような行動に出てしまいます。
つまりそれが、「顔をあげて、目があった人から殺してあげる」という恐ろしいセリフです。

ですが彼は、幼い頃は、自分らしい性格の姿なので、基本的には良い人であり、無意識下の女性達は、そのことを知っているようです。

彼は、現在のあなたを傷つけるだけにとどまり、殺して、あなたの女性らしさを奪い取ろうとはしません。
それどころか、あなたの罪の意識を弁護して、慰めようとさえしているように見えます。

このように、彼が肯定的であることの理由は、彼は、残念なことに今は無意識の陰に隠れ、意識の陽の目をあびていない状況にはあるけれど、本来なら自分の一要素として機能していたはずの側面であり、本来のありのままの自分にとって、とても身近な性格となるはずの側面だからではないかと思います。

現実の生活において、あなたは幼い頃は男の子のように外で遊んでいた頃の性格を考えれば、彼は悪い人のはずがないのです。
彼はただ、忘れ去られているので、知らないところで負のエネルギーが溜まってしまい、悪さをしているに過ぎないと思われます。

夢:俺は人を傷つけて嬲り殺すまでの過程に最高の幸せを感じる。殺される側もそうだ。

彼のこのセリフは、
「本来ならこの俺が人生の主役であり、主導権は俺が持っていたはずなのだから、お前達(今の女性的な性格の側面)を殺して、再び、あの頃のような主導権を取り戻すまでのプロセスに、最高の喜びを感じる。殺される側も、回帰することに喜びを感じるのだろう!」
ということかも知れません。

また、ユングの弟子のフォン・フランツは、「夢の道」という本の中で、このように言っています。

「ユングは女性が勉強することに常にとても好意的でした。そして、仕事や勉強や専門的な職業を持たない女性は概して、非常に否定的なアニムス(女性の中の男性的側面)を持つ、と言っていました。
アニムスは使うほうがずっといいのです。そうすれば、あまりいたずらはしません」

もちろん、あなたは専門的な立場を持っていますが、ここでいう専門的な職業とは、外で働いているような男性的な仕事のことであって、カウンセラーのように、女性性が優位となっているような仕事のことではありません。

フォン・フランツのこの言葉を、そのまま使わせて頂くのであれば、
「あなたは幼い頃から、今まで使うはずであったアニムスを現在はあまり使っていないために、それは概して、非常に否定的となり、夢の中でいたずらをしはじめている」
ということに、なるのかも知れませんね。

ですがそれは、向こうから一方的に仕掛けてきているのか?と言われると、そのような印象はありません。
というのは、女性的側面(4人の女性達)は、自分から自転車に乗って、自分から岩の家という男性的な領域に逃げ込んできたのであり、男性の領域である4枚のドアをがんばって開けたのは、女性達だからです。

そして彼は、「殺す」とはっきり言ったものの、実際に殺すことはなく、おでこという、思考を働かせるための知的な心の側面にのみ、ナイフで傷をつけます。
それは残酷な傷のつけ方ではありますが、殺して人格の主体性(命)を取ると言いながら奪うことはありません。

次に彼は、女の人の腕に傷をつけます。
腕は、何かをしようとするときの、実際に実行するときに働く、“意思”をあらわし、その女性の腕(何かをするときの、やる気)が、痛ましいことになります。

その傷を受けているのは、「嫌いな人に似ている」とのことですので、彼女は、あなたが日常生活の中で切り捨ててきたような何らかの女性的な性格の側面をあらわしており、意識の陽の目を浴びずに、無意識的となっている何らかの性格の要素、という意味では、彼女はその男性と立場が似ています。

ですが彼女は女性ですので、そういった意味では、あなた(夢の中の自我)と同じ立場にあります。
つまり彼女の立場は、ちょうど、あなたと若い男性の中間地点にあると言えます。

夢:「私は私を巻き込まないで」と言ったが、「あんたが死ね」と言ってきた。

このセリフは、彼女はある意味では、その若い男性に近い属性を持っていることを意味しています。
おそらく彼女は、女性性の中の、最も劣った側面をあらわしており、女性的要素の最後の四番目の働きであり、その中では、最も無意識の深い側面に基づいて機能しています。

恐ろしい若い男性が、「はじめようか」と言って彼女を選んだのは、そこら辺に理由があるのでしょう。

また、夢の中で、

「私は男から一番離れた場所で下を向いていた」

という描写は、あなた(普段のあなたらしい人格の主体性)は、その男から一番遠い位置にあることを意味しており、そのため、あなたのおでこを傷つけた後、自分に最も近い、最も劣っている彼女に攻撃の対象が移ります。

この描写は、彼から見て、あなたとはあまりにも距離が遠すぎるために、コンプレックスとしての勢力がなかなか届かないことを意味しているように思われます。

ですが、あなたにまではエネルギーが及ばなくても、第四の女性には簡単に届くので、彼女から、はじめようとします。

その瞬間、彼女とあなたは入れ替わります。

つまりこの瞬間、あなたは第四の女性的な性格の側面(無意識)にまで身を落とし、その腕(物事を行なう時のやる気や意思)に傷をつけられます。

それはまるで、
「今まで俺のことを忘れ去り、無意識の陰に沈めたまま、ほとんど使おうとしてこなかった罰だ!」
とでも言いたげに、です。
そして、ドラマのナレーションのような声で、「あれ、怖いはずなのに、心地いい。優しく、終われそうだ」と聞こえます。

夢や世界中にある昔話には、姿は見えないのに声だけが聞こえてきた、という場面は稀に生じることがありますが、それは魂のイメージと関係していおり、その声は、その時の状況の本質をあらわしています。
それは純粋な魂の側面に基づいていて、みずみずしい生命力があり、ありのままの心の声のようなものです。

夢の中の若い男という心像が、あなた自身が幼い頃に持っていた性格をあらわしていると考えると、ナレーションのような声で、「怖くない」と言っているのは、ある意味では当たり前のようなことのように思います。
それは、映像としては恐ろしく描かれていますが、魂の本質的な部分から見ると、あなたが幼い頃に持っていた、ある側面にシフトするに過ぎないからです。
それは、本来の自分に、子どもの頃に帰るような、若返りのような感覚を伴い、優しく、心地よくさえあります。

ですがもし本当にシフトするなら、現在の女性的な自分自信は殺される必要があるので、恐ろしく感じる、ということだろうと思います。

そして、夢の中のラストの場面では、このような会話で終わります。

「あの日、私は小鳥を254匹空に帰した。そのことに罪悪感を感じています」
「でも、毎日そのことを思っているし、あの森に行っているじゃない」
「知ってたんだ」
「当たり前だろ」
そして、男はものすごく優しい笑顔で笑い、ずっと切りつけています。

254という数字の象徴性の解釈は難しいのですが、「多くの小鳥達」という意味に違いはありません。
あなたがやってしまった、たくさんの小鳥の解放は、大いなる女性性の解放、性格が女性的な方向へ発展していくための解放、といったイメージを感じさせます。

あなたは、幼い頃は男性的であったと考えられますので、その時はまだ持っていなかった、大いなる女性の魂が一気に解放された、というニュアンスがあります。

ですがそれには否定的な側面もあり、小鳥を解放することで、男性性優位という性格は無意識下の陰に消え去ることになり、罪悪感を感じるのはそのためではないかと思います。

夢の中の森は、一般的に、無意識の自然な側面をあらわしており、幼い頃は、あなたはまだ劣った女性性しか持っていなかったはずですので、「さあ、これからこの森を開拓しよう」とでも言うように、どこかに閉じ込めていた小鳥達を逃がしたのでしょう。

そうすることで、あなたの女性性は息を吹き返したかのように解放され、伸び伸びと羽根を伸ばして自由に飛び立ち、254通りもの、大いなる自由を得ることが出来ます。
そして、怖いはずの若い男は、罪悪感を感じているあなたのことを、こんな風に弁護します。

「でも、毎日そのことを思っているし、あの森に行っているじゃない」

このセリフは、「でも毎日、女性性の羽を広げるために、それに関係する無意識と向き合っているじゃないか」と、言い換えることが出来ます。

このセリフは、現実の生活において、カウンセラーとして勉強しているときの心境と重なるのかも知れませんね。
というのは、「勉強する」ということは、知らない知識と向き合うことであり、その「知らない」という側面こそが、無意識(この夢では森)に他ならないからです。

そしてあなたは意外そうに、「知ってんだ」と言い、男は「当たり前だろう」と笑顔で言い返してナイフで切り続けています。
どうやら彼は、忘れ去られた恨みを晴らしたい気持ちもあるようですが、あなたが森に行っていること(つまり、女性性の無意識的な側面と向き合っていること)を、嬉しく思っている部分もあるようです。

わたし達は誰でも、人格を否定されること、自分らしさを殺されてしまうこと、自分が自分ではなくなってしまうことを、何よりも恐れているものです。

夢の中で恐ろしいと感じているのは、現実としての死に対してではなく、基本的な人格に関わる、とある側面の象徴的な死の危険性に対してです。
そういう意味では、これは悪夢であったとは思いますが、夢の中で彼に出会えたことは、必ずしも悪いこととは言えなさそうです。

彼は、夢の中でとても恐ろしいことをしますが、基本的には良い性格の持ち主のようで、殺すと言っておきながら、あなたを殺して、あなたの人格の主体性を奪い取るつもりはなく、(傷つけながらではありますが)優しいセリフで慰めようとさえしています。

今回の夢では、4人の女性というバランスの良い状況を、それと同じくらいバランスの良い4つの男性的な要素によって、ひどく脅かされる状況が描かれています。

この夢は、その「安定と不安定」のようなものがテーマになっていて、一見、この夢は物凄く不安定に見えるのですが、ある意味ではとても安定しているのです。

最後に、この夢は、一言で解釈すると、「忘れ去られたアニムス(無意識下の男性的要素)の反乱と回帰」をあらわした夢であると言えそうです。

このように解釈させて頂きましたが、いかが思われますでしょうか?

ひよこ様

ありがとうございました!
あまりに納得してしまって、どう返事をしていいものか悩んでいてら遅くなってしまいました。 私は、女性は女性らしくいるべきだ、男女平等なんてありえないという考えで生きてきました。
しかし自分の中の男の子(あくまで男性というより少年っぽい感じです)が時々顔を出しているのも、そうだなぁと思いました。
今は治まっているのですが、自傷癖があり、その際に死にたいわけではなく、もう一つの人格を殺してやりたいという、内側にいる人格が出てきて暴れている感覚で、自分は多重人格ではないかと悩んでいました。
自傷をしたあとは決まって悲しくなり、なんてかわいそうなことをしたんだという、うまく言えないですが自分のことなのに客観的な感覚がありました。
他人を傷つけてしまったような感覚です。
悲しみがおさまると、なぜか安心感に包まれるというか・・・。
そこに、この夢の解釈だったので驚きと納得で非常にうれしいというか、安心しました。
本当にありがとうございました。

【シンボル】
■ 海⇒ 女性、母性的の否定面。 
■ 校舎のような建物⇒ 学びに関する領域かも知れない。
■ 逃げおりる⇒ 安定した地面へおりる。
■ 二人乗り自転車の後ろ⇒ 能動性や自分の意志がなく、能動的な状態。
■ ファンファーレ⇒ 「さあ、感情が爆発する危険性が、いま目の前まで迫ってきているぞ!」というような高揚感。
■ 爆弾⇒ 最も深く、最も危険な第四の男性的要素。破壊的な働きしか持っていない。
■ 女性4人⇒ 女性的側面の安定した状態。
■ 岩の無人の家⇒ 男性的な領域。
■ 4枚のドア⇒ 男性的側面の、最も深い領域へ向かうプロセス。
■ 揉めているおじさんと兵士⇒ 無意識下の、食い違う男性的な意見の衝突。
■ 若い男⇒ 無意識から見ると肯定的な性格の持ち主であるが、意識から見ると否定的。本来なら幼い頃から優位に立っているはずであった無意識下の男性的要素。
■ 「殺すのに喜びを感じる」⇒ その男性から見ると、人格の主導権を取り戻せるという喜び、女性から見ると、幼い頃の男性的な性格の側面に回帰する、という喜び。
■ 私のおでこにナイフで傷をつける⇒ 知的な側面のみに傷をつけ、人格の主体性(命)は取らない。
■ 女の人の腕にナイフで傷⇒ その人は嫌いな人に似ているので、そんな心の深い側面を攻撃する。若い男は、心の深い側面に属しているコンプレックスなので、それは、ご本人の自我意識の領域までは、なかなか届かない。
■ その女の人と入れ替わる⇒ 回帰のため、無意識の深い側面(嫌いな女性)と入れ替わり、ナイフで攻撃される。
■ 殺されそうになる⇒ カウンセラーは、相手の身になる必要があり、自分の我を押し通してはいけない仕事。自分とは全く違うタイプの人や違う考え方の人を受け入れて考え、ある意味においては、自分のある部分を押し殺す仕事とも言える。

2013/07/05 (金)  〜 2013/07/18 (木)

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