夢判断29「父に守られる」p3

  
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父に守られる



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カーテン 様
30歳 女性 一人暮らし

タイトル/「父に守られる」

鈴木めいや

そんな、狼という何らかの無意識下の動物的・本能的な心的複合体(コンプレックス)によって、小屋の屋根にいる、か弱い自我の側面は脅かされることとなり、それから逃げようとすればするほど屋根からずり落ちそうになってしまい、地面という恐ろしい現実に突き落とされる危険が生じます。

ですが逆説的にも力を抜くことで、そのような危険は回避され、屋根の中心に戻ることに成功します。
これは、そのままですが、厳しい心理的な現実を目の前に強張るのではなく、肩の力を抜くことで楽になったような状況を示しています。

そして、ほっとして小屋の周りを見渡すと、父が猟銃を構え狼からを守ってくれています。
夢の中の人物は、現実にその人と心の深い部分で結びついているのでも無い限り、一般的には、ご本人が持っている何らかの性格の側面が表現されたものですが、「とても溺愛されていると思います」とのことですので、夢の中の父親は、ご本人の元型的な父性のイメージであると同時に、実在の父親のイメージでもあるのでしょう。

この夢を見た当時、あなたの無意識は、このような「父に守られている」という夢を産出することによって、日頃の枯渇しやすい何らかの側面を補い、意識活動に潤いを与え、できるだけ良い状態を保とうと心のバランスを整えたものと考えることが出来ます。

また、「父と娘というより、父と息子のような感覚です」とのことであり、今回のタイプ論の問診チェックでも、女性性よりも男性性が優位にあるという結果が出ています。

これは一般的に、社会に出てたくましく働いていくために必要な意識の働きのことですが、あなたは「父のようになりたいけど、なれない」と仰っています。
つまり、もし間違えていたら申し訳ありませんが、私の考えでは、あなたは本来、先天的には女性的な心の側面(女性性)が発達しやすいタイプの一般的な女性であったはずにもかかわらず、昔から男性性ばかり機能させようとしてきたようなところがあり、その結果、実際に男性的な心の側面がよく発達しており、(父親ほどではないにしても)男性性が優位なタイプの方となっているのかも知れないと思いました。

おそらく、意図的に頑張って働かせるべきものは男性的な心の側面なのですが、無意識によって、どうしても自然に働きかけてしまうのは女性性なのです。

ですが、だからと言って、本来持っている女性性がその勢力を失ってしまったということではなく、無意識下では、本来、機能していたであろうはずの女性性は、なんとかして意識の光を浴びたがっており、活かしたがっている、というような状況があったのかも知れないと思いました。

この大きく異なった2つの側面は、いつも相対的な関係にあり、うまく溶け合うことは難しい正反対の側面です。

今回の夢は、自分が男性のように、たくましく狼と戦うのではなく、そのような男性的な役割は父親に任せています。
そしてそのことで安心し、がんばって男性性を引き出す必要はなくなり、そのため、本来の有りのままの「素」の状態に立ち返るために、草原(社会的な人との関係から離れ、自然で開放的な無意識の側面)のイメージが表現されたのではないでしょうか?
草原という、社会的な人間関係から離れているような解放的なイメージは、自分の素の側面と向き合う場所としてはピッタリです。

そして、普段は影を潜めてしまい、あまり優位に立てずにいる何らかの女性的な側面とは、父親に男性の役割を任せることによって初めて、その機能を取り戻す可能性が、ほんのりと芽生えてくるものなのかも知れません。

ですがあなたにとって、実際に生活を送っていく上で、この夢が示すような、自分が果たすべき男性原理を人任せにするような生き方をしたことは、おそらく現実にはあまり経験が無いのかも知れません。
そのような生き方は、ほとんど現実味を感じませんので、この夢は、どこか生々しさを持たず、かきわれのような印象として表現されたのかも知れませんね。

この夢は、一言で言うと、
「自分の素の部分と向き合うために、男性的な意識の働きを任せてしまうことの大切さ」
のような状況が表現されていると考えることが出来ます。

いかが思われますでしょうか?
どのような小さなことでも構いませんので、ご感想や反論、ご質問など、返信を頂ければ幸いです。

カーテン様

男性性、女性性両方に課題を感じており、この夢をみた時期は絵を生活の中心に考えてたので男性性は任せるという解釈を選択しました。
過去の夢で現在を考えることがまず矛盾があることですよね。面倒な依頼ですみません。
最近はほんとに夢を覚えていることがなくて(寝言では夢占いとずっと言ってたらしいですが笑)
今回は問診テストの1番優位な男性性と質問の答えから、その観点から解釈して頂いたのですが、直感、感覚などの観点からの解釈はこの短い夢からは難しいでしょうか…?
鈴木様のサイトをきっかけにタイプ論で自分の葛藤を考えておりまして。
夢からは少し離れた質問になってしまいますが、ひとつよろしいでしょうか?
主機能というのは変わることがあるのでしょうか?
わたしは以前は感覚が主機能で現在は直感が強いと感じているのですが、これは長年抑圧した劣性機能の直感が噴出し主だっているのか、元々主機能は直感だったのを、抑圧し感覚を長く使っていたのか、或いは主機能が感覚から直感に移行したのか…。
わたしのここ数年の課題は直感機能のマイナス作用に感じたので。
あの夢は力を抜く発想(直感)を得、それが功をそうするが、その続きはないことなど、閃きだけで終始し、なかなか展開していかない日常と似ているとも感じたので(夢の中では屋根の中心に行け、しかも守ってくれる人物がいましたが)
返信の続きを書く度に内容が変わりキリがないので、送らせて頂きます。
重ねまして柔軟かつ丁寧な対応に感謝いたします。
では宜しくお願い致します。

鈴木めいや

「この夢をみた時期は、絵を生活の中心に考えてたので男性性は任せるという解釈を選択しました」

とのこと、これは全く適切な考えだと思います。
また、夢と解釈のサイトというアクセス数の少ない小規模サイトの文章を参考に、カーテン様のような自分のタイプを考察なさっている方がいらっしゃったことを嬉しく思います。今回頂いたメールでは、タイプ(四機能)のお話が中心になってますね。
それではまず、

「直感、感覚などの観点からの解釈はこの短い夢からは難しいでしょうか…?」

この質問から答えてみます。
例えば、有名な日本の昔話、桃太郎では、主人公の少年は、イヌ、サル、キジを従えて、自分を含めた四つの働きを従えて鬼を退治しに行きます。
主人公の桃太郎は、主機能である感覚的な働きをもつ心の側面を象徴していると考えると、イヌは、忠実で愛情深い動物ということから感情機能をあらわしており、サルは動物の中で最も賢い生き物、ということから思考機能をあらわしています。
そしてキジは、高い位置から遠くを見渡し、上空から全体を見下ろせる生き物ということから、直感機能の象徴です。
そんなキジ(直感)は、主人公からみて劣等機能ですので、一番最後にやってきて、ようやく最後に仲間に付くのです。

例えば、スイス人やドイツ人は感覚タイプの人が多く、インド人は直感タイプの人が多いようですが、日本は山や川などの地形が複雑であったり、四季があったりという理由から、おそらく日本人はそれぞれ四つのタイプが満遍なくいる偏りのない人種であると考えられます。

そのため、桃太郎のような四機能が表現されている昔話が、誰もが知る有名なお話として、大昔から語り継がれることになったのではないかと私は考えています。

そしてこのお話からも分かるように〜

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