夢判断13「クーデター」p3

  
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クーデター



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スズキ様
23歳 女性 一人暮らし 学生

タイトル/「クーデタ」

気まずい空気の中外に出ると、コンビ二は大きなデパートの駐車場になっています。
これは、「自分が今までいた領域は、コンビ二のように気軽で小さな店だと思っていたのに、本当はデパートのように大きな世界の中にいたんだ!」というような描写でしょう。
少し過小評価していた自分の何らかの心は領域は、思っていたよりも大きいものなのです。
そして、そのデパートの裏ではアイドルと恋人がキスをしていますが、あなたは従姉妹と二人でからかってしまいます。
これは、あなたの心の深いところ(デパートの裏)では、男性性と女性性が統合しようと試みていたことを意味していて、この、場面3)では、いままでの欠けていた要素を補い、男性性と女性性が統合を試みるという非常に肯定的で建設的な場面であり、とても良好な心の描写が表現されている場面であるという印象があります。
そして、場面4)では、デパートは切符売り場になっています。
これから、東京にある自分の家に帰ろうとしているとのことですので、自分の家の部屋、つまり、普段の、いつも通りのあなたらしい意識領域へと戻ろうとしているのでしょう。
ですが、いままでに散々、切ないような苦しいような領域にいたせいか、帰る術も分からずに、その切符を買おうとしても買い方が分かりません。

ですが、ご本人が持っている“少し口うるさい”男性的な側面によってその切符を買うことができたようです。(そのおじさんは、ご本人の無意識下にある“その人のような男性的な側面”が人格化されたものと思われます)
ようやく目的地を発見し、なにかの乗り物に乗ります。そしてこの乗り物に乗っているときも、コンビ二に向かう車に乗っていたときも、あなたは右側にいます。夢の中の“右”は男性的、合理的、意識的なニュアンスがあるので、あなたはが欲しているのは、そのような方向なのかも知れませんね。
すると、外は土砂降りの雨で、なんだか胸騒ぎのする空気です。
この雨は、新しいもののために古いもののすべてを洗い流す、という意味合いがあると思います。それはご本人にとっては不吉なことなのでしょう。この胸騒ぎは、おそらく、中学に赴任してきた先生が感じていた心の危険と、いま、向き合わなければならないときがきたよ、ということでしょう。
この場面は、
「新しい精神に至るために古いものはキレイに洗い流さなければならない年齢に差し掛かっているよ」
ということを表現しているかのように感じられます。
あなたにとって23歳という年齢は、もしかしたら、そのような時期なのかも知れませんね。

そして、場面5)の、クーデターのシーンに入ります。
ここで登場する某政治家は、おそらく、その政治家のような「小物」というニュアンスの持つ、ご本人の中の男性的な側面があらわされたものです。彼の屋敷は、多くの民衆(おそらく、世間一般的な感覚や常識、良識などを象徴)によって、石を投げつけられています。
彼はもう、“大きな屋敷”という、長い時間をかけて築き上げてきた、心の大きな領域にいることさえ許されはしません。
すると、あなたはいつの間にか、その屋敷から彼がそっと非難していく様子を見ていますが、これは、
「自分自身の中にある小物である男性的側面が、民衆(世間的な視線)から攻撃を受けている様子を、目の当たりにしている」
とさえ言い換えることが出来るかも知れません。
“古いものを洗い流す”とは、自分が持っているその“劣った男性性を大きな屋敷から追い出す”ということなのだろうと考えることができます。
これは、あなたにとって、これから新しい心の側面を育てていくためには、どうしても必要なことであり、それと同時に、すごく切なく、悲しくて、戦場にいるようなものなのかも知れません。
この象徴的な場面では、いままで無意識下に持っていた男性性と、「お別れ」と告げたことを意味しているように思われますが、このことは、新しい心の側面が生じる前兆のようなものを、“示唆している”場面とも言えると思われます。
さて、少し長くなってしまいましたが、
この夢の全体的な描写をまとめると、

1)心の危険を予感する(夢の中の、変わった先生が中学に赴任)
すると↓

2)心が不安定な状態に陥るが危険を回避する(夢の中の、一軒家でガスが充満)
すると↓
3)1万5千円分もの心の栄養を買う(夢の中の、お菓子のあるコンビ二)
すると、↓

4)乗り物の中で、胸騒ぎがする(夢の中の、どしゃ降りの雨)
すると、↓

場面5)劣等な男性性が屋敷から出て行く(夢の中の、クーデター)
しかしそのことにより、新たな心の要素が生じることが示唆される。

という流れを汲み取ることができるかと思います。
このように解釈させていただきましたが、いかが思われるでしょうか?

スズキ様

こんにちは。
夢の解釈を拝見させて頂きました。
とても丁寧に詳しく解釈して頂き、ありがとうございます。
あまりにも現実の(過去〜現在の統合である)自分の状況とシンクロしていたので、感動すら覚えました。
そして、夢が差し出すメッセージは、深く解釈するとまるで夢そのものが全知の存在であるかのように、「自分」というものを如実に表しているのだと驚いています。

この夢をみた時、私の精神はかなり切羽詰った状態でした。
ここ数ヶ月のうちに、何故か大学へ行くのがとても辛くなってしまい、それでも「休むなんて許せない」と何とか力を振り絞って毎日登校していました。
休んでしまったら最後、その後は全く学校に行けなくなるような恐怖心があったのです。
そんな状況が大きな負担となり、いっそのこと大学を辞めてしまおうかという考えが次第に頭の中を占めていきました。
しかし、「せっかく入学した大学を辞めるなんて、どんなに親を落胆させるだろうか。自分はまた挫折を味わうのか」という葛藤がありました。
それでも、限界に近づいているのを自覚せざるを得なくなった頃、この夢をみました。

場面1)〜場面2)の解釈は、まさにこの頃の私の状態を表しているものだと思います。
「切なく苦しい意識」の只中にあり、そこに生ずる危険を回避しようと、男性的側面の人格化としてあの先生の存在が出てきたというのは、その通りだと思います。
また、爆発寸前にあった意識領域から逃げて「自分らしい安定した領域」を取り戻すために、あの土手と川を二度渡る必要があったのだと、今とても納得しています。

私の勝手な解釈ですが、この夢はその時の心理状態を表しながら、その後に起こる心理変化も暗示していたように思えます。
場面2)の後半〜場面5)までの流れは、この夢をみた後に現実生活で私が体験した心理変化とほぼ同じ過程を通っているのではないかと思ったのです。

葛藤の中にあって、それでも学校に通っていたのですが、とうとう「学校を辞めよう」と決意し、親にもその旨を伝え、学校も休みました。その時は大きな開放感があったのですが、同時に大きな不安が押し寄せました。
決して自分は逃げるのではなく、新しい生活を「始める」のだと言い聞かせるのですが、それでも「逃げたのではないか」「本当にこれでいいのか」という思いは拭えませんでした。
散々悩んで考えた挙句、「再び同じ挫折を繰り返す弱い自分」を、今ここで乗り越えなくてはいけないのではないか、今が「自分」を取り戻すチャンスなのではないだろうか、という強い思いに至りました。
そして、「今の自分には、卒業することが1番重要なことだ」と、学校を続ける事を決めました。
そう決心してからは、それまでのアンバランスな状態が嘘のように、心が落ち着き、少しずつですが新しいことに向かう力を取り戻してきています。

私が体験したこの過程は、劣等な男性性として現れた政治家がクーデターによって屋敷から出て行ったという過程と非常に関係があると思います。
それは、この夢が近未来を予言していたような気もします。

いずれにしても、今回の夢の解釈で得たものはとても大きく、夢というものが伝えるメッセージの重要性というものを認識でき、今後はもっと夢に注意を払ってみようかと思っています。
本当にありがとうございました。

鈴木めいや

そのように言っていただき嬉しく思います。

私の勝手な解釈ですが、この夢はその時の心理状態を表しながら、その後に起こる心理変化も暗示していたように思えます。

とのことですが、わたし達の意識がこれから起こりうることに注意を払っているように、無意識もまた未来の出来事に注意を払っています。
なので夢に対するそのような考え方は、わたしも賛成です。

今回、夢判断の依頼ありがとうございました。
また何かありましたら、お気軽にご活用いただければと思います。
それでは。

2008年07月03日

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