夢判断38「少年の私と立派な男性」p2

  
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少年の私と立派な男性



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ばいおん様
35歳 女性 前職デザイン関係

タイトル/「少年の私と立派な男性」

鈴木めいや

そんな心境のなか、夢はこのように続きます。

彼は少年の私を恋愛対象として愛してるようだ。
それが伝わり、暖かく満たされた気持ちになる。
しかし不思議なことにこの世界には何か理があり、私達は誰かの意思で同じ顔にさせられるようだ…。
向かい合ってる彼が言う。
ほら、僕のこの頬の傷跡も君にも移っている」

そこで終わりとなります。
ここにあります「不思議な理」という感覚は、おそらく心理学でセルフと呼ばれている心の働きのことであり、繰り返しとなりますが、それは自然界の仕組みや心の秩序などを司っているようなイメージを持っていると考えられます。

そしてあなたは夢のなかで、その何らかの側面にすっかり順応しており、愛されているためか、お互いが鏡に映るもの同士であるかように同じ顔となり、頬に傷跡があればこちらにも同じ傷跡が移ります。

ここで、個人的な心の側面について見てみましょう。

「父は尊敬していますが、あまり距離は近いほうではないと思います。お互い照れや遠慮があるように思います。」

女の赤ちゃんが少女になり、少女が個人を確立した一人の女性に成長していくプロセスにおいて、父親との関係性は大切な要素となる場合があります。

もしも父親を一人の男性として、イヤな面であったりダメな部分も受け入れた上で尊敬しており、幼い頃から父に甘えるのが上手に育っていたとしたら、おそらく無意識は、今回のような夢は産出する必要はなかったのではないかと思います。

内面的な意味においても、外的、社会的な意味においても、普段から欠けやすいあなたの男性的要素を満たし、女性的な傾向を補うために、夢のなかでこれだけ立派な男性との深い絆を必要としたのではないでしょうか?

そして、以下のあなたの言葉にあるように、

体力があり身体を動かしながら考える業務など活性化し生き生きするので選びました。

もしもアニムス(無意識下の男性的な性格の要素)を自分のものとして生かすことができるとすれば、具体的な夢や目標を明確に持つようになるのかも知れません。

このことは、下記のフォンフランツ博士の言葉ある、

肯定的なアニムスは内的真理の最高の本能的自覚、基本的な内的真実性です。それが個性化のうちに、精神的な女性を自分自身になるように導くのです。

ということと関係していそうですね。
女性は基本的に、内面的なアニムスの働きかけによって「自分らしさ」のような状態を確立していき、本来の自分自身になっていくものではないかと思われます。

最後に繰り返しとなりますが、この夢は一言で解釈すると、「普段の女性的な性格の傾向を補うために生じた夢」と考えられます。

このように解釈させて頂きましたが、いかが思われますでしょうか?
よろしくお願い申し上げます。

ばいおん様

ご解釈ありがとうございました。
その他画像も拝見しました。とても興味深く考えさせられました。

ご解釈のとおり、現在の私は多分に男性性が少ない状態だと思われます。
それが今後のプランを立てられない原因なのかもしれないなと思いました。
ひとつ質問なのですが…、この夢に現れた「肯定的なアニムス」を意図的に育てることで鈴木さまがおっしゃられたように「目標、目的を持てる」ようになるのでしょうか?
といいましても、どのように育てるかも想像出来ていないのですが笑 曖昧な質問で申し訳ありません。
お手すきの時にご返事いただけたら幸いです。

鈴木めいや

ご質問を頂きましてありがとうございます。
夢と解釈のサイトの鈴木めいやです。

基本的にそれは、無意識的で本能的な心の側面であり、コントロールや育てるということは難しいものですので、それとどのように向き合っていくかの問題かと思われます。
ちなみに、ユング博士の弟子のフォンフランツ博士は、女性のなかの否定的な男性性は、容赦のないひどい意見や行動、批判的な刺々しい態度としてあらわれると言っています。
もちろんこれでは、「目標、目的を持って」何かに勤めることは困難です。
肯定的には、勇気、知性、精神性を促します。

今回の夢に登場した立派な男性は、明らかに肯定的な側面ですが、もしこのようなアニムスを実在する男性の上に見るのであれば、その人のことをもっと知りたいと思うと同時に、その人のために具体的に行動するようになるかも知れません。
そして普段は無意識的となっているアニムスは活性化され、勇気や知性、精神性が促されるのかも知れません。

そしてその結果、夢のなかで感じていた「目に見えない神様のような存在」を実在する何かの上に見るのであれば、普段は無意識的となっているセルフの元型的な側面が活性化されて、その仕事に邁進するようになるのかも知れません。 それは「私はこの仕事をしているときがもっとも自分らしくいられる」と感じるものであって、その人をよりその人らしくします。

ですがそのような基本的な部分において幸せに生活している人は、それほど多くはいないのですが、そのような何かが見つけられると良いですね。

ばいおん様

返信が遅くなりまして大変失礼しました。
体調不良と求職活動の進行が重なりまして、落ち着いてから返信させて頂こうと思っておりました。

私の質問に対して、とても示唆に富むお答えありがとうございます。
先の画像にしても、鈴木さまが例に上げて頂くことが知らないことばかりで、好奇心が刺激されすぐさまネットであれこれ調べさせて頂いておりました。
しかしインターネット上だと断片的な情報が多く鈴木様お勧め図書を時間が出来たら読ませて頂きたいなと思いました。

お答えへの感想なのですが、否定的なアニムスが気になりました。
私は思春期の頃から虚無感を強く感じておりまして自分の特性のようにも感じてきましたが、年とともに変化もし、今回、アニムスの両側面を教えて頂き、それは心の一過程だったとも捉えることが出来るのだなと思えました。
心は変容していくという考え方はとても希望の持てることです。
自分でも心の変容は実感はして居るのですが、現在の求職活動中など不安が生まれやすい状況だと、乗り換えたはずの否定的な自分にまた出会い
「あゝ、やはり私はこういう人間なのだな。変わったと思ってたけど表面的だった」
と自分で自分を身動きの取れない思考に定着させようとすることが働いています。
それでもこうやって長い年月をかけて研究されて来た心の仕組みを知っている方の考えを聞くと、そういう自分の思考も絶対的ではなくて多分に流動的なものだなと思えました。
長くなりましたが、改めてありがとうございました。
また夢の世界を先導して頂きたくなったらお邪魔いたしますね。
失礼いたします。

鈴木めいや

感想のメールを頂きまして、ありがとうございます。
夢と解釈のサイトの鈴木めいやです。

また、そのようにおっしゃって頂きまして嬉しく思います。

少し気になりました一文に、

「あゝ、やはり私はこういう人間なのだな。変わったと思ってたけど表面的だった」

とありますが、おそらくそれは、歩んでき人生のなかでネック(障壁)となっているように感じられている側面かと思いますが、それがあたかもご自身の本質であるかような考え方はしないほうが無難かと思います。

と言うのは、わたし達個人個人は、たった一つの性格の傾向のみで生活をしているのではないからです。

例えば、ただ優しいだけの性格の一面しか持っていない、という人などおりませんし、ただ性格が明るいだけの人、ただ頑固なだけの人、ただ気が強いだけの人など 世の中には存在せず、わたし達個人個人はとても多面的であるのが普通です。

「乗り換えたはずの否定的な自分」

とは、あなたが持っているたった一つの側面に過ぎないのではないかと思います。

本当に基本的な側面は、そのような否定的な心境もあるなかで就職活動を行っている、その姿勢のなかにある何か、なのではないかという気が致します。

「変わったと思ってたけど表面的だった」

とのことですが、その姿勢のなかにある何かとは、その否定的なもののさらに奥深く にあり、ご自身を支えている何かかと思われます。
就職活動を行っているという時点で、それは、ご自身のいう否定的なものよりも大きななにかをお持ちであるといえるのではないでしょうか?

上記は、ばいおん様をなぐさめようとして書かせて頂いたのではなく、ただ常識的なことを書かせて頂いたつもりです。

また夢の世界を先導して頂きたくなったらお邪魔いたしますね。

またのご来店を、心よりお待ち申し上げます。

ばいおん様

ご返信で、また私の感想へのお考え丁寧に下さりありがとうございます。
特に、

「変わったと思ってたけど表面的だった」

とのことですが、その姿勢のなかにある何かとは、その否定的なもののさらに奥深くにあり、ご自身を支えている何かかと思われます。

の一文に心が暖かくなる感覚がありました。
大切に考えさせて頂きたいと思いました。

それでは重ねましてお礼申しあげます。
ありがとうございました。
ばいおん

2014/06/22 〜 07/10

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