夢判断38「温泉施設の小鳥」p2

  
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温泉施設の小鳥



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まゆみ様
31歳 女性 ホテル・ショッピングセンターなどの企画部門

タイトル/「温泉施設の小鳥」

通常、夢の中の“明かり”は、あなた自身の“意識領域”をあらわし、そこに通じる階段を上がるということは、いままで無意識的であったものの意識化をあらわします。
この夢の中で、小鳥を懐かしく思っていますので、このことは、長いあいだ忘れていて無意識下にあったもの(小鳥で象徴されている心的要因)が、いま意識化された(再び蘇った)という心の過程をあらわしているのでしょう。

すると、意識領域をあらわす明るい部屋の右隅には、大きめの木の浴槽があります。
夢の中の“右”は意識性、合理性、精神的自立などをあらわし、そこには木の浴槽があり、湯がなみなみと張られています。
このことか、この夢を見た頃に、あなたは昔に忘れていた生命力のエネルギーのようなものが意識領域に蘇ってきたのではないかと感じられます。

いままでの、
1)彼と散歩
2)温泉施設
3)小鳥と遊ぶ

という夢の表象だけをみると、あまり深い関連性は感ませんが、そのような表象を構成した心理描写をみると、ある程度の一連性を感じ取れるかと思います。

1)夢の中の、彼との散歩
男性性を連れて人生の道筋を歩いていく。すると、
  ↓
2)夢の中の、温泉施設
様々な理解が浸透し、生命力のエネルギーが沸く。すると、
  ↓
3)夢の中の、小鳥と遊ぶ
魂のイメージが自我に接近する。

という一連の心の流れを、汲み取ることができるかと思います。
そしていよいよラストのシーンに入ります。

その部屋の窓際で小鳥と遊んでいると、また、その部屋の見晴らしの良い窓からまた逃げました。
「戻っておいで」と呼んでいると、黒い身体で玉虫のような色の長い尾を持ったトンビのような鳥に襲われてしまいます。爪を掛けられてバランスを崩すまでは見ていましたが、そこからは見ていられなくなって目を背けました。ひらひらと舞う羽を見て、ああ、ダメだったんだなと思いました。
上からのぞくと、小鳥の遺体らしきものが落ちていました。「知らないから、怖れずに飛んでいっちゃったんだなあ。。。気をつけてあげなきゃいけなかったんだ。。。」と罪悪感が。。。

ここに出てくるトンビのような鳥ですが、夢の中のワシやタカ、トンビといった獰猛な鳥は、権威、優越感、広い視野から経験を統合し、理解を発展させる能力のような心理を象徴しています。
そして、長い尾は、そのようなニュアンスを持つ、過去からずっと引きずっていたものをあらわしています。
権威的で理解力があり、昔から長い尾を引いている無意識的な何かが、夢の中でトンビの姿となって現れたのです。
これはおそらく、現実的な経験の積み重ねによって生じてきたイメージで、現実的な彼に対する不満や、仕事に対する嫌な出来事などと関係があるのかも知れません。
そして、現実に尾と引いているそのようなイメージ(黒いトンビ)の前では、最近、自我に接近してきたばかりの美しい魂のイメージなんてまるで無力であるかのように、殺されてしまいます。
この夢は、日常での、細かい積み重ねによって生じた現実的なイメージと、幼い頃に飼っていた小鳥という魂のイメージの葛藤を象徴しているのだろうと考えられます。
少し長くなってしまいましたが、このように解釈しました。いかがでしょうか?

まゆみ様

正直、要素が多すぎて、消化がまだできませんが、直感的に、現状に対する父親(権威)の関わりをどう自分の中で対処していくかへの葛藤かな、と感じました。
今は離れて暮す父親ですが、私はこの父親が非常に苦手で、とにかく否定されることが怖くて最近はすっかりご無沙汰です。(エネルギー奪われるんですよね。。。)
彼との関係を次に進めていくには、避けて通れない部分ですし、実際現実でもこの問題に直面しています。
あと、気になったのが、温泉。
もしかしたら、間違った内容をメールしていたかもしれないのですが、左側に湯船がありました。
つまり女性性ということですよね?
心理学を学ぶ中でわかったことなのですが、私はどうも、女性性のエネルギーが苦手。(気持ち悪くなるくらい)
もしかしたら忘れていたものとはそれかもしれないな〜と思いました。
知ることで何か内面が新たに起動することってあるじゃないですか?
夢の解釈ってそういった働きもするんでしょうか?そんな感じがしたので。

鈴木めいや

返信、ありがとうございます。
少し細々と書きすぎてしまい、文体が分かりづらかったようで申し訳ありませんでした。
もっとシンプルに、夢の全体的な心理描写をまとめさせてください。
するとこの夢は、

1)彼と坂道を歩く
2)美しい景色
3)温泉施設で小鳥と遊ぶ
4)階段を上り、明るい部屋にでると左側に温泉が湧いている
5)小鳥が、長い尾のトンビのような鳥に襲われる
6)その遺体らしきものが落ちている

という、6つのシーンに分けられると思います。
そして、この一つ一つには、どのような心の働きがあらわされているのか、と考えると、

1)彼と坂道を歩く⇒ 男性的な側面と一緒に、坂道の人生の歩く。
2)美しい景色⇒ その人生の途中には、美しくて、習慣化された感情状態(ムード)がある。
3)温泉施設で小鳥と遊ぶ⇒ 人生は美しいと感じると、小鳥という魂に触れるような心境になる。
4)階段を上り、明るい部屋にでると左側に温泉が湧いている⇒ 魂に触れていると、心のエネルギーが湧いてきているということが意識化される。
5)小鳥が長い尾のトンビのような鳥に襲われる⇒ 今までの長い時間、ずっと尾を引いていた否定的な悪い魂に、小鳥が襲われる。
6)その遺体らしきものが落ちている⇒ 長いあいだ尾を引いていた、権威のある黒い魂の前では小鳥は無力であるということへの実感。
と、このようになります。

さらにまとめると、男性的な側面によって人生を歩いていると、美しい感情状態が習慣化されてくる。すると、魂(小鳥)に触れるような心境となり、心のエネルギーが湧く。そして、そのような活き活きとした心の描写がハッキリと意識化する。
しかし現実は残酷のようで、せっかく手に触れていた魂(小鳥)も、過去からずっと尾を引いていた心の問題の前では無力のようで、あっさりと殺されてしまう。
と、このような心の描写が、このような夢として表現されたと考えられるのです。
雰囲気だけでも、なんとなく伝わったでしょうか?
そして、夢の中の、“長い尾のトンビ”とは、具体的にはなんでしょうか?
私はそれは、「現実的な彼に対する不満や、仕事に対する嫌な出来事などと関係がある」と解釈したのですが、どうやらそれは違ったようです。
ご本人がおっしゃる通り、長いあいだ続いてきた父親との問題が、“長い尾のトンビ”として、象徴的にあらわされたものと考えると筋が通ります。
トンビの長い尾は、飛行機雲の尾と同じように、“過去からずっと引きずっている何か”を象徴しているものと考えられるので、幼い頃からよく知っている父親と関係があるのかも知れません。そして、

「私は父親が非常に苦手で、エネルギー奪われるんですよね。。。」

とのことですので、この、“エネルギーが奪われる”という心境が、夢の中で、“小鳥が殺される”というかたちであらわされたと解釈すると、筋が通るように思えます。
それと、

「気になったのが、温泉。左側に湯船がありました。つまり女性性ということですよね?」

とは、まさにその通りです。
というのは、

「女性性のエネルギーが苦手。(気持ち悪くなるくらい)」

とのことですので、普段から、男性性が優位にあったあなたの意識領域を補うために、女性的な心のエネルギーが湧いてきたと考えられるからです。
失礼があったら申し訳ありませんが、普段、男性性に偏っていると思われる意識の状態を補うために、女性的な心のエネルギーが湧き上がってきたものと考えられます。
少し、解釈が長文になってしまいましたね。(すみません。。。。。)
なんとなくでも参考にして頂ければ幸いだと思っているのですが、いかがでしょうか?

まゆみ様

なるほど。とてもよくわかります。
で、一点気になるのが、小鳥が襲われるシーンは全て上から見下ろしています。
何かこの夢は全体的に客観的に、あるいは冷静な心境で眺めていたのが印象的でした。
女性性を補う為に、湧き上がってきたエネルギーは、小鳥に象徴されるものに繋がっていくエネルギーではないかと感じます。
女性性というのは、何かエモーショナルで鮮やかなものだと思っていたのですが、意外にとても懐かしく、暖かで穏やかなエネルギーなのだな、と思いました。
気づかせていただいて、ありがとうございます。
河合はやお先生の自伝を読んだときにユング派の夢分析にとても興味を持ちました。
やはり、おもしろいです。

鈴木めいや

返信ありがとうございました。
「女性性を補う為に、湧き上がってきたエネルギーは、小鳥に象徴されるものに繋がっていくエネルギーではないかと感じます。女性性というのは、何かエモーショナルで鮮やかなものだと思っていたのですが、意外にとても懐かしく、暖かで穏やかなエネルギーなのだな、と思いました。」

女性性とは、ムードを生み出す力、予見的な勘、非合理なものの感受性、受身の姿勢、人間関係や自然なものに対する愛情、無意識との関係などの心の働きのことを言うので、それは確かに、暖かで穏やかなエネルギーなのかも知れませんね。
またのご来店をお待ちしておりますの、いつでもお気軽にお問い合わせください。
では。

送信日時:2007年06月22日13時56分

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